予防歯科
予防歯科
お口を末長く健康に保つためには、虫歯や歯周病などの病気を予防するという取り組みがとても大切です。 虫歯で失われた歯や治療で削ることになった歯、歯周病で損なわれた歯周組織は二度と元に戻ることはありません。 治療が必要な状態になる前に予防歯科・メインテナンスを受診し、健康的な口腔内環境を保ちましょう。 当院では2~3ヶ月毎の定期検診・メインテナンスをおすすめしております。
虫歯や歯周病などの病気は細菌によって引き起こされます。歯の表面に取り付いた細菌はバイオフィルムという膜(ぬめりのように感じるもの)を形成し、細菌が繁殖しやすい環境をつくります。バイオフィルムの上で様々な細菌が群れをなし、目に見えなかった細菌が歯垢・プラークとして現れます。歯垢・プラークが唾液の作用によって石灰化して固着したものが歯石となり、さらなる細菌群の温床となります。 予防歯科・メインテナンスを受診していただく目的は、病気やリスクの早期発見はもちろんのこと、病気の原因である細菌の温床となる歯ブラシでは取り除くことのできないバイオフィルムを破壊し、口腔内環境をリフレッシュすることにあるのです。 当院ではメインテナンスの際に、歯科衛生士による口腔内のチェックとクリーニングを実施しています。
皆さんは歯を磨く時に、どれくらいの時間をかけているでしょうか? 洗面所の鏡の前で5分間歯を磨くことは面倒に感じ、歯磨き粉が泡立ったら歯磨きを終えてしまうものです。 そこで、歯磨き粉を使わずに、TVを見ながら、スマホを使いながら、読書しながら、入浴しながらなど、何かをしながら歯を磨きましょう。夕食後や就寝前に15〜20分程度の「ながら磨き」がとても効果的です。 歯磨き粉の薬用効果や爽快感を得たい方は、最後に仕上げ磨きとしてご使用していただくか、洗口剤をご使用ください。
歯ブラシだけのセルフケアでは歯間部の汚れは、ほとんど落としきれていません。そのため、歯と歯の間はリスクが高い部分となり、虫歯や歯周病、口臭などが発生しやすくなります。 歯ブラシでは落としきれない歯と歯の間の汚れに効果的なことが、デンタルフロスや歯間ブラシの併用です。 リスクの高い箇所に適した清掃効果の高いデンタルフロスなどの道具を用いて重点的にケアする方法を、スウェーデン式プラークコントロールといい、まずリスクの高い部分から集中的にケアし、病気の発生を抑制する考え方です。 歯と歯の間のケアをしてから、「ながら磨き」をしていただくと、より効果的です。
平均寿命が毎年のように過去最高を更新し続けるなか、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」(第二次健康日本21にて定義)とされる「健康寿命」の延伸が課題とされています。
平均寿命に対し健康寿命は10歳前後、短い状態で推移しているからです。
厚生労働省「平均寿命と健康寿命の推移」より抜粋
(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-02-06.html)
「フレイル」とは高齢期に生理的な予備能(最大限発揮できる能力と日常生活で必要な能力の差、余力)の低下により、肉体的・精神的ストレスに対する脆弱性が増し、機能障害、要介護状態、死亡などに陥りやすい状態のことです。
身体的な問題だけだなく、認知症やうつといった精神・心理的問題、独居や経済的な問題も含む考え方で、包括的な概念です。
「オーラルフレイル」とは、口腔機能の軽微な低下や食の偏りを含む、身体的な問題の「フレイル」の一つです。
オーラルフレイルは、健康と機能障害の間であり、回復が見込める状態であることが大きな特徴です。
定期検診・メインテナンスを受診していただき、早めに気付き、対応することで、健康に近づきます。
口腔内環境の健康維持が、認知症や肺炎などの感染症、脳血管障害などの予防に大きく貢献することが知られており、寝たきりなどの要介護状態に至ることを予防する手段となります。
歯科で予防というと虫歯や歯周病に注目してしまいますが、マウスピースを用いて予防できることがあります。
就寝時の無意識による歯ぎしり・食いしばりによるトラブルを防止するマウスピースをナイトガードといいます。
就寝時だけでなく、仕事中や勉強中、運動中の肉体的・精神的ストレスが生じた時でも、ストレスに対する防御行動として歯ぎしり・食いしばりが起きる可能性があります。
ナイトガードは、柔らかい素材でクッション性のあるソフトタイプと、噛み合わせを厳密に調整した強度のあるハードタイプがあります。
主に就寝時に使用することが多いですが、日中ストレスのかかりやすい場面で使用することもできます。
スポーツ中の突発的な事故・接触による外傷で受ける歯や歯茎、顎の骨へのダメージを軽減する目的で使用するものをスポーツマウスガードと呼んでいます。
近年、日本でもスポーツマウスガードの使用の義務付けや推奨・認可する団体も増えてきています。
小・中・高の学生の授業中や部活中に、歯を折ってしまうなどの事故は少なくなく、多感な時期の見た目への影響や歯の健康寿命に多大な影響を与えます。
当院では、若年層の方々へスポーツマウスガードの使用を推奨しております。
睡眠時無呼吸症候群の治療・対策のためのマウスピースで、就寝時に使用します。
スリープスプリントは上下の歯列に装着し、口腔内のスペースをひろげ、空気の通り道を確保することで睡眠時無呼吸症候群を防ぎます。
制作には医師による睡眠時無呼吸症候群の診断と、治療依頼書が必要です。