噛み合わせ治療
噛み合わせ治療
健康的な口腔内環境の確立には、ひとつひとつの歯だけではなく、全体的な噛み合わせを考慮した治療が不可欠です。
当院では包括的に全体の調和を考えた治療計画を立案いたします。
やむをえず虫歯や歯周病、外傷などで歯を失ってしまった場合、人工物で補う選択肢があります。また、矯正治療で歯並びを整えることにより、歯を失ったことで生じたスペースを埋めるという選択肢や、将来性を考慮して現時点では治療をせず経過観察をする、という選択肢も考えられます。
ここでは、人工物で補う際の治療法をご紹介します。
失った歯の周囲の歯を支えとして、複数の歯を連結した被せ物を歯に固定する方法です。
歯に固定されサイズも歯の大きさに近いので、違和感が少なく使いやすいですが、連結部分の清掃性が悪く汚れが溜まりやすいです。また、連結部分に違和感を覚える方もいます。
支えとなる歯を削る必要があるため、周囲の歯が虫歯のない健全な歯であった場合、治療による侵襲が大きいため、他の選択肢を考慮することも必要です。
発揮できる噛む力は元の歯の7〜8割程度といわれています。
義歯の留め具をご自身の歯にかけ、義歯を維持するものを部分床義歯(部分入れ歯)。全ての歯を義歯で補うものを全部床義歯(総義歯)と言います。
ご使用の際は義歯を取り外し、お手入れをすることが必要となります。
義歯をお口の中の粘膜の上にのせるため、接触部分が痛くなることが多いです。
歯だけではなく、粘膜の上に乗せる床部分や留め具があるためサイズが大きくなり、違和感があります。
留め具を効果的に、また噛み合わせに影響がないように設置するため、歯の一部を削ることがあります。
適応範囲が広く、体への侵襲が比較的少ないですが、顎の骨の形や嘔吐反射、義歯をのせるスペースが小さい方などは、使いづらい場合があります。
発揮できる噛む力は元の歯の3〜5割程度といわれています。
部分床義歯の歯にかかる金具が気になる方は、ノンクラスプデンチャーという金具を使用しないものがあります。全く金属をしない場合より、構造に金属の部品を一部併用することで強度を確保することが多いです。
義歯の接触面が痛くなりやすい方は、軟質裏装材を用いて義歯の内面を柔らかい素材で裏打ちすることで、痛みの軽減を期待できます。
義歯が破損しやすい方や義歯の厚みが気になる方は、義歯の構造の主たる部分に金属を使用し、強度を確保し、薄く仕上げます。金属のアレルギーが気になる方には、アレルギー症状の出にくいチタン合金を用いることが可能な場合もあります。
※いずれの種類の義歯であっても、義歯の基本的な形状や構成に大きな差はありません。ですので、義歯そのものの違和感を強く感じる方には効果的ではない可能性があります。
※義歯は基本的には消耗品ですので、長期でご使用いただいている場合、劣化や消耗、変色や変形などが生じます。定期的な検診・調整・修理を推奨しています。また、変化が大きい場合には新しく義歯をお作りすることをお勧めいたします。
人工の歯根を顎の骨に植え込み、それを土台として歯を補う方法です。
周囲の歯を削ることなく違和感が少ない、ブリッジと義歯の両方の利点を併せ持つような、噛み合わせの機能回復には効果的な方法です。
顎の骨を利用するため手術が必要なので外科的な侵襲が大きいです。また、一般的に術後インプラントが顎の骨に定着するための治癒期間が必要になるため、ブリッジや義歯に比べると治療期間(目安は3〜5ヶ月間)が長くなります。
注意点としては、インプラントは歯周病の影響を強く受けるため、インプラント治療前の歯周病の治療と治療終了後の定期的なメインテナンスは必須です。
喫煙をしている方は、インプラントが顎の骨に定着しにくく、歯周病の影響を強く受けやすいため、インプラント治療をお勧めしていません。
基礎疾患がある方は治療に際し、かかりつけの医師にご意見を伺い、医師のご判断によっては治療を断念する場合があります。また、かかりつけがなくとも基礎疾患が疑われる場合には、治療前の医科への受診をお願いしております。
インプラントは非常に有用な治療法ですが、治療法の一つに過ぎません。他の治療法とよく比較し、ご検討のうえご判断ください。
矯正治療は見た目の美しさを求める審美的な要素だけではなく、健康な口腔内環境をつくるための噛み合わせの治療として、とても重要な要素です。
歯並びが綺麗だと見た目が美しいだけでなく、虫歯や歯周病、噛み合わせなどのトラブルのリスクの軽減につながります。
矯正治療は矯正歯科学会の認定医の歯科医師による診察・診断のもと、虫歯治療や歯周病治療と併せ、全体的包括的に実施いたします。
月に一度、矯正治療の診察日を設けご対応させていただきます。
矯正認定医による矯正治療のご相談は無料にて実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
歯ぎしりや食いしばりの力が過度にかかると、歯に強い痛みが出ることがあります。
TCH(tooth contacting habit)=上下歯列接触癖とも呼称され、歯や歯茎に異常が見当たらない場合に、疑われます。
歯の痛みは歯根の周りを覆う歯根膜に、打ち身・打撲のような炎症症状により引き起こされます。
打ち身・打撲のような状態なので、歯に力をかけず安静にしていれば時間経過とともに自然と回復していきます。
しかし、歯ぎしりや食いしばりのような無意識の力がかかり続けた場合や、歯と歯が接触しただけで痛みが出てしまう場合などには、安静を保つことができず回復が困難です。
痛みが出ている原因が明確な場合には、噛み合わせの調整を行い、過度な力がかかる状態を解消します。
歯ぎしりや食いしばりの力は、痛みだけではなく、時に歯が割れ、詰め物・被せ物の破損やインプラントの破損などのトラブルにつながる場合があります。
そこで当院では、噛み合わせのトラブル防止の対策としてマウスピースを用いた対策をご提案しております。
末長く治療後の口腔内環境のご健康を維持していただくためには、とても有効な手段ですので、歯ぎしり食いしばりの起きやすい就寝時や運動時、パソコンに長く向き合う時など肉体的・精神的ストレスのかかりやすい場面でのご使用を推奨しております。